耳鼻咽喉科の治療と並行する鍼灸

耳鳴りと鍼灸

首と顎から音が変わる理由

まわりに音がないのに音を感じる耳鳴り。つらさは音の大きさより、脳がその音を「気にすべき音」として扱い続けることで増します。首や顎を動かすと音が変わる方が多いのはなぜか、鍼灸がどこに働きかけるのか、研究で分かっていることを整理しました。

LINEで相談(準備中) 金山ハリメド鍼灸院

金山駅 北口すぐ・2026年秋 開院予定。執筆・監修は医師の高杉浩司です。

こんな方に向けて書いています

  • キーン、ジー、ブーンという音が続いて、静かな場所や夜に気になる
  • 耳鼻咽喉科で検査を受けたが、耳鳴りは「様子を見ましょう」と言われた
  • 首や顎を動かすと音が変わる気がする。肩こりや噛みしめがある
  • 眠れない、集中できない。音より「気になること」がつらい

鍼灸の立ち位置

鍼灸は、耳鼻咽喉科の診断と治療に代わるものではありません。まず耳鼻咽喉科で難聴や中耳の病気がないかを確かめ、鍼灸はその治療と並行して行います。日本の耳鳴診療ガイドラインが強く勧める教育的カウンセリングと音響療法を土台にして、鍼を足す形です。

耳鳴りの正体

自覚的耳鳴りの多くは、内耳の働きが落ちて脳に届く信号が減り、脳がその分を補おうと聴覚の活動を上げることで起こります。そこに注意や情動を司る脳の領域が結びつくと、音が「気になって仕方がない」「眠れない」という苦痛に変わります。もう1つの要素が首と顎で、首や顎の筋肉からの感覚は脳の入口で耳からの信号と合流します。

耳からの信号と、首・顎からの感覚は脳幹で合流する

耳からの信号と首・顎からの感覚が脳幹の蝸牛神経核で合流する模式図
耳からの信号と、首・顎・肩の筋肉からの感覚は脳幹で合流します。首や顎を動かすと耳鳴りが変わるのはこのためです。
  • 音が生じる仕組み

    内耳からの信号が減った分を、脳が補おうとして聴覚の活動を上げます。だから耳鳴りには難聴が伴うことが多く、本人が気づいていない軽い難聴が背景にあることも少なくありません。

  • 「つらさ」が増す仕組み

    聴覚の活動に、不安や注意を司る扁桃体や前頭前野が結びつくと、音が危険なものに感じられます。同じ大きさの音でも、平気な人とつらい人がいるのはこの回路の違いです。

  • 首と顎が関わる仕組み

    首や顎の筋肉からの感覚は、脳幹の蝸牛神経核で耳からの信号と合流します。耳鳴りのある45人のうち35人で、顎を前に出す、噛みしめる、首を反らすといった動きで音が変わったという報告があります。

鍼灸の前に、まず確かめること

耳鳴りは、まず耳鼻咽喉科で背景を確かめてから鍼灸に進みます。すでに受診している方は、聴力検査の結果をお持ちください。

先に医療機関へ相談してほしいとき

次にあてはまる場合は、施術より先に受診をお願いしています。

すぐに救急へ

  • 聞こえにくさやめまいに加えて、手足のしびれ、言葉のもつれ、立てないほどのふらつき、強い頭痛がある。

その日のうちか、翌日に受診

  • 片方の耳が急に聞こえにくくなった、急に詰まった感じがする。耳鼻咽喉科へ。
  • 耳の痛み、耳だれ、発熱を伴う。耳鼻咽喉科へ。

脈と一緒に鳴る耳鳴りや、片耳だけ少しずつ進む聞こえにくさは、急ぎませんが、一度耳鼻咽喉科で調べてもらってください。

どこに、どういう狙いで鍼をするか

耳のまわりに加えて、首・肩・顎の「押すと耳鳴りが変わる場所」を探して重点にします。狙いは、耳のまわりの循環と、音をつらく感じさせる脳の回路です。

部位 1

耳のまわり

耳の前の聴宮、耳の後ろの翳風、完骨、こめかみの上の率谷など。耳鳴りの研究でほぼ共通して使われる部位です。弱い電気を流す鍼通電を加えることもあります。

狙い:耳のまわりの循環と、聴覚の入口

部位 2

首・肩・顎の反応点

首の横の筋肉、後頭部と首の付け根、顎の噛む筋肉を順に押して、耳鳴りの音が大きく、小さく、高さが変わる場所を探します。見つかればそこを重点にします。

狙い:首や顎からの入力を整える

部位 3

手の甲と前腕

中渚、外関など。耳鳴りの研究でもほぼ共通して使われ、頭のてっぺんの百会を加えることもあります。

狙い:体全体の反応を引き出す

押すと耳鳴りが変わる場所(反応点)を探す

首の横の筋肉、後頭部、顎の筋肉を押して耳鳴りの変化を確かめる反応点の体表図
首の横、後頭部、顎を順に押して、音が変わる場所を探します。見つかればそこを重点に鍼をします。

鍼通電の刺激はトントンと脈打つ程度で、痛みはほとんどありません。ペースメーカーをお使いの方は事前にお伝えください。

時期と通い方の目安

耳鳴りの研究は週1〜3回で10〜20回という設計が中心です。当院では週1〜2回で10回を一区切りにし、同じ物差しで測り直して続けるかを一緒に決めます。

  1. 01

    初回:確かめる・測る

    問診、耳鼻咽喉科の検査結果と治療内容の確認、耳鳴りの質問票(THI)、音の大きさの目盛り、耳こすりテスト。仕組みの説明に時間をとります。

  2. 02

    1〜10回:同じ部位で反応を見る

    週1〜2回。最初に選んだ部位と反応点で続けます。毎回変えると、どこに反応があったか分からなくなるからです。

  3. 03

    10回目:測り直す

    質問票と目盛り、眠れた日数を初回と並べます。変化があれば継続、なければ反応点と目標を見直します。

  4. 04

    20回:判定する

    目標に届けば間隔を空けて維持。届かなければ耳鼻咽喉科での再評価をお勧めします。

数字で経過を追います

音が消えることを目標にすると苦しくなります。目標は「気にならない時間が増える」「眠れる日が増える」で、苦痛度の点数と生活の変化を優先して追います。

  • 耳鳴りの苦痛度(THI)

    25の質問に答えて0〜100点。20点以上の減少、または16点以下が変化の目安です。

    初回と10回ごと
  • 音の大きさ(0〜10の目盛り)

    いまの大きさを目盛りで示していただきます。苦痛度とは別に記録します。

    毎回
  • 耳こすりテストと生活の指標

    両耳の前で指をこすって聞こえ方の左右差を見ます。眠れた日数、集中できた時間も記録します。

    初回と10回ごと

分かっていること(研究の報告)

数字は「研究でそういう報告がある」という意味で、効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

首や顎の動きで音が変わる

耳鳴りのある45人のうち35人で、頭や首の動きで音が変わり、顎を前に出す動きで最も変わりやすかったという報告です。首と顎に働きかける根拠です。

Simmons R, et al. Semin Hear 2008

脳の情動の回路に働く可能性

耳鳴りのある方に鍼をした前後で脳の画像を比べた研究では、不安に関わる扁桃体と前頭部の機能的なつながりが弱まっていました。

Zhang Y, et al. Front Neurol 2022

鍼通電の比較試験

耳のまわりと首、手の部位への鍼通電を2日に1回、計10回行い、苦痛度の質問票の点数が下がったと報告されています。

Zhang Y, et al. Complement Ther Med 2026

複数の試験をまとめた解析

自覚的耳鳴りへの鍼治療の比較試験をまとめた解析では、苦痛度の質問票や音の大きさの目盛りで改善の傾向が示されています。研究の質に限界があるという評価です。

Huang K, et al. Complement Ther Med 2021

診療ガイドラインでの位置づけ

日本の耳鳴診療ガイドライン(2019年版)が強く勧めているのは、仕組みを知る教育的カウンセリング(推奨度1B)と、難聴がある方の補聴器(推奨度1A)です。鍼治療そのものの評価はまだ定まっていません。当院の進め方は、この2つを土台にして鍼を足す形です。

あわせて行うこと

これらはガイドラインで推奨されている、確かな方法です。鍼灸院に通わなくてもできます。

  • 仕組みを知る。耳鳴りの起こり方を理解する教育的カウンセリングは、ガイドラインで強く推奨されています。初回に時間をとって説明します
  • 静けさを避ける。耳鳴りより少し小さい音量で、川のせせらぎなどの環境音を流す音響療法
  • 難聴がある方は補聴器を。難聴を伴う耳鳴りへの補聴器は、同じガイドラインで最も強く推奨されています。耳鼻咽喉科でご相談ください
  • 睡眠を整える。噛みしめや歯ぎしりに気づいたら歯科にも相談する。首と肩を冷やさない

執筆・監修

このページは医師が執筆・監修し、施術はハリメド鍼灸院の鍼灸師が行います。内容について医師が確認した日付は、記事末尾に表示します。

  • 執筆・監修(医師)

    高杉浩司

    豊田土橋リウマチクリニック 院長/医師×鍼灸師プラットフォーム「HARI×MED(ハリメド)」管理者

    • 日本内科学会 総合内科専門医
    • 日本リウマチ学会 リウマチ専門医・リウマチ指導医
    • 日本腎臓学会 腎臓専門医
  • 施術

    ハリメド鍼灸院

    金山ハリメド鍼灸院(2026年秋 開院予定)

    • はり師・きゅう師(国家資格)が施術します
    • 医療機関での診断と治療を前提に、鍼灸で補える範囲を担当します
参照している診療ガイドライン

急性感音難聴診療の手引き 2018年版 参照

耳鳴診療ガイドライン 2019年版 参照

耳の分野で鍼治療は「研究が紹介されている」段階で、推奨の段階づけはありません。強く勧められているのは、早期の治療開始(突発性難聴)、教育的カウンセリングと補聴器(耳鳴り)です。

くわしい解説

仕組み、部位、通い方を本文で詳しく書いています。

この記事の要点

  • 耳鳴りの多くは、内耳からの信号が減った分を脳が補おうとして起こります。つらさは、脳がその音を「気にすべき音」として扱い続けることで増します。
  • 首や顎の筋肉からの感覚は、脳の入口で耳からの信号と合流します。首や顎を動かすと音が変わる方が多いのはそのためで、鍼灸はここに働きかけます。
  • 仕組みを知ること自体に効果があることが分かっています。静けさを避ける音の工夫、難聴がある方は補聴器も、あわせて進めます。

この症状の正体

耳鳴りとは、まわりに音がないのに音を感じる状態です。キーン、ジー、ブーン、セミの声のような音。静かな場所や夜に目立ち、眠れない、集中できないという困りごとにつながります。本人にしか聞こえない耳鳴りを自覚的耳鳴りといい、ほとんどの耳鳴りがこれにあたります。脈と一緒にドクドクと鳴る拍動性の耳鳴りは血管の問題が隠れていることがあり、耳鼻咽喉科での確認が先です。

自覚的耳鳴りの多くは、内耳の働きが落ちて脳に届く信号が減り、脳がその分を補おうと聴覚の活動を上げることで起こります。だから耳鳴りには難聴が伴うことが多く、本人が気づいていない軽い難聴が背景にあることも少なくありません。耳鼻咽喉科で聴力検査を受けていただくのは、このためです。

音が「つらい」に変わる仕組みは、もう一段階あります。聴覚の活動に、注意や情動を司る脳の領域(扁桃体や前頭前野)が結びつくと、音が「気になって仕方がない」「危険なものに感じる」「眠れない」という苦痛になります。耳鳴りのつらさは音の大きさだけで決まらず、同じ大きさでも平気な人とつらい人がいるのは、この回路の働きの違いです。

なぜ鍼灸が関わるのか

鍼灸が耳鳴りに関わる入口は、首と顎です。首や顎の筋肉からの感覚(体性感覚)は、脳幹にある蝸牛神経核という場所で、耳からの信号と合流します。内耳からの入力が減ると、この合流点で首や顎からの入力の影響が相対的に強まることが、動物の研究で示されています。

人の研究では、耳鳴りのある45人のうち35人で、顎を前に出す、噛みしめる、首を反らすといった頭や首の動きで耳鳴りの音が変わったという報告があります。顎関節症のある方は耳鳴りを併せ持ちやすいことも、複数の研究をまとめた解析で分かっています。耳の中で起きている音なのに、首や顎を動かすと変わる。これが、耳鳴りに首と顎が関わっている何よりの証拠です。

鍼灸は、この入口に働きかけます。耳のまわりに加えて、首の横、後頭部、顎の筋肉のうち「押すと耳鳴りの音が変わる場所」を探して、そこを重点にします。もう1つの狙いは、音をつらく感じさせる脳の回路です。耳鳴りのある方に鍼をした前後で脳の画像を比べた研究では、不安や恐怖に関わる扁桃体と前頭部の結びつきが弱まっていました。音そのものより、音を「つらい」と感じさせる回路に働いている可能性が示されています。

耳からの信号と、首・顎からの感覚は脳幹で合流する

耳からの信号と首・顎からの感覚が脳幹で合流し、聴覚野と扁桃体・前頭前野へ送られる図解
耳からの信号と、首・顎・肩の筋肉からの感覚は脳幹で合流します。首や顎を動かすと耳鳴りが変わるのはこのためです。

鍼灸の前に確かめること

耳鳴りは、まず耳鼻咽喉科で背景を確かめてから鍼灸に進みます。初回の問診では次の点を確認します。

  • 耳鼻咽喉科を受診したか。聴力検査で難聴や中耳の病気が見つかっていないか
  • いつから鳴っているか。片耳か両耳か。急に始まったか、だんだんか
  • 脈と一緒に鳴る拍動性ではないか
  • めまい、急な聞こえの低下、耳の痛みや耳だれを伴っていないか
  • 首や顎を動かすと音が変わるか。噛みしめや歯ぎしりの癖があるか
  • 眠れているか。集中できているか。気分の落ち込みはないか

耳鼻咽喉科を一度も受診していない耳鳴りには、先に受診をお願いしています。片耳だけの耳鳴りが急に始まった場合は、突発性難聴の可能性があり、時間との勝負になります。耳鳴りの背景にある難聴の程度を知ることは、鍼灸の目標を決めるうえでも欠かせません。

ご注意

片耳が急に聞こえにくくなって耳鳴りが始まった場合は、鍼灸より先に耳鼻咽喉科へ。その日のうちか遅くとも翌日に受診してください。突発性難聴は、治療を早く始めるほど結果がよいとされています。

どこに、どういう狙いで鍼をするか

耳のまわりでは、耳の前の聴宮(ちょうきゅう)、耳の後ろの翳風(えいふう)、完骨(かんこつ)、こめかみの上の率谷(そっこく)などに鍼をします。耳鳴りの研究でもほぼ共通して使われる部位で、耳のまわりの循環と、聴覚の入口に働きかける狙いです。弱い電気を流す鍼通電を加えることもあります。

次に、首・肩・顎の反応点を探します。首の横の筋肉(胸鎖乳突筋)、後頭部と首の付け根、顎の噛む筋肉を順に押して、耳鳴りの音が大きくなる、小さくなる、高さが変わる場所を探します。見つかれば、そこを重点にします。国内の症例集積では、押して耳鳴りが変化した場所に鍼をした例は全員に何らかの変化があったと報告されており、反応点を探す根拠になっています。

3つ目は、手の甲と前腕です。中渚(ちゅうしょ)、外関(がいかん)など。耳鳴りの研究でもほぼ共通して使われ、体全体の反応を引き出す狙いです。頭のてっぺんの百会(ひゃくえ)を加えることもあります。

押すと耳鳴りが変わる場所(反応点)を探す

首の横の筋肉、後頭部、顎の筋肉を押して耳鳴りの変化を確かめる反応点探しの図解
首の横、後頭部、顎を順に押して、音が変わる場所を探します。見つかればそこを重点に鍼をします。

時期と通い方の目安

耳鳴りの研究は、週1〜3回で10〜20回という設計が中心です。2日に1回で計10回、1回30分という比較試験もあります。当院では、まず週1〜2回で10回を一区切りにします。

初回に耳鳴りの苦痛度の質問票(THI・ティーエイチアイ)と、音の大きさの目盛り(0〜10)を記録し、10回目に同じ物差しで測り直します。変化があれば継続、なければ部位と目標を見直します。20回で目標に届けば間隔を空けて維持に入り、届かなければ続け方を主治医と相談します。途中でも、聞こえが落ちた、耳鳴りが急に変わった、めまいが出たときは、回数を待たずに耳鼻咽喉科を受診してください。

耳鳴りは、音が消えることを目標にすると苦しくなります。当院が目標にするのは「気にならない時間が増える」「眠れる日が増える」「集中できる時間が延びる」です。音の大きさの目盛りより、苦痛度の点数と生活の変化を優先して追います。

分かっていること(研究の報告)

数字は「研究でそういう報告がある」という意味で、効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。

  • 自覚的耳鳴りへの鍼治療の比較試験をまとめた2021年の解析では、苦痛度の質問票(THI)や音の大きさの目盛りで改善の傾向が示されています。ただし研究の質に限界があるという評価です。
  • 耳鳴りのある方に鍼をした前後で脳の画像を比べた2022年の研究では、不安に関わる扁桃体と、右の上前頭回および左の傍帯状回の機能的なつながりが弱まっていました。情動の回路に働いている可能性が示されています。
  • 2026年の比較試験では、耳のまわりと首、手の部位への鍼通電を2日に1回、計10回行い、苦痛度の質問票の点数が下がったと報告されています。
  • 頭や首の動きで耳鳴りが変わる人は45人中35人、顎を前に出す動きで最も変わりやすかったという2008年の報告が、首と顎に働きかける根拠です。

ポイント

日本の耳鳴診療ガイドラインが強く勧めているのは、仕組みを知る教育的カウンセリングと、難聴がある方の補聴器です。鍼治療そのものの評価はまだ定まっていません。当院の進め方は、この2つを土台にして鍼を足す形です。

あわせて行うこと

耳鳴りでは、鍼以外に3つのことを一緒に進めます。これらは日本のガイドラインで推奨されている、確かな方法です。

  • 仕組みを知ること。耳鳴りの起こり方を理解する教育的カウンセリングは、ガイドラインで強く推奨されています。当院でも初回に時間をとって説明します。
  • 静けさを避けること。無音の部屋では耳鳴りが目立ちます。耳鳴りより少し小さい音量で、川のせせらぎなどの環境音を流す音響療法をお伝えします。
  • 難聴がある方は補聴器を。難聴を伴う耳鳴りに補聴器を使うことは、同じガイドラインで最も強く推奨されています。耳鼻咽喉科でご相談ください。
  • 睡眠を整える。噛みしめや歯ぎしりに気づいたら歯科にも相談する。首と肩を冷やさない。

教育的カウンセリングと音響療法の具体的な進め方は、別の解説にまとめています。耳鳴りの測り方(THIと耳こすりテスト)、鍼をする部位の詳しい説明も、それぞれの解説をご覧ください。

よくある質問

初回のご相談で多い質問をまとめました。ここに無いことは、問診のときに何でもお聞きください。

Q耳鳴りは鍼で治りますか。
A

音を消すことを約束はできません。鍼灸が目標にするのは、音が「気にならない時間」が増えること、眠れる日が増えることです。

耳鳴りの苦痛度の質問票(THI)と眠れた日数を初回と10回ごとに測り、変化で判断します。

Q耳鼻咽喉科に通いながら受けられますか。
A

はい。むしろ、耳鼻咽喉科で難聴や中耳の病気がないことを確かめてから鍼灸に進むのが当院の順番です。

通院中の方は、主治医に「鍼も受けている」と伝えておくと安心です。自己判断で薬や検査をやめる理由にはなりません。

Q片耳だけ急に鳴り始めました。先に鍼灸でよいですか。
A

いいえ。片耳が急に聞こえにくくなって耳鳴りが始まった場合は、突発性難聴の可能性があります。

発症から2週間以内の治療が勧められているので、鍼灸より先に耳鼻咽喉科を受診してください。

Q首や顎を動かすと音が変わります。関係がありますか。
A

関係があります。首や顎の筋肉からの感覚は、脳幹で耳からの信号と合流します。耳鳴りのある45人のうち35人で、顎や首の動きで音が変わったという報告があります。

当院では、押して音が変わる場所(反応点)を探して、そこを重点に鍼をします。

Q何回くらい通えばよいですか。
A

耳鳴りの研究は週1〜3回で10〜20回という設計が中心です。当院では週1〜2回で10回を一区切りにし、10回目に同じ物差しで測り直します。

変化がなければ部位と目標を見直し、20回で目標に届かなければ耳鼻咽喉科での再評価をお勧めします。

Q鍼通電は痛くないですか。
A

刺激はごく弱く、トントンと脈打つ感覚で、痛みはほとんどありません。耳のまわりの部位で使うことがあります。

ペースメーカーなどの植込み型の医療機器をお使いの方は、事前にお伝えください。

Q音を流す音響療法は、耳鳴りが消える音量でよいですか。
A

いいえ。耳鳴りを消す音量にはしません。耳鳴りの大きさを10とすると8くらい、少し小さい音量で環境音を流します。

消そうとすると脳は耳鳴りを探し続けます。完全な静けさを避けるのが目的です。

耳鳴りのご相談は、金山ハリメド鍼灸院へ

受診状況をうかがったうえで、鍼灸で対応する範囲と、医療機関に相談すべき範囲を分けてご説明します。

  • 所在地愛知県名古屋市中区金山1丁目14番9号 長谷川ビル4F
  • 最寄り金山駅 北口すぐ
  • 開院2026年秋 開院予定 地図を開く
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参考文献(9件)
  1. 日本聴覚医学会 編. 耳鳴診療ガイドライン 2019年版. 金原出版, 2019.
  2. Simmons R, et al. Head, neck, and eye movements that modulate tinnitus. Semin Hear. 2008;29(4):361-370.
  3. Mottaghi A, et al. Is there a higher prevalence of tinnitus in patients with temporomandibular disorders? A systematic review and meta-analysis. J Oral Rehabil. 2019;46:76-86.
  4. Shore SE, Wu C. Mechanisms of noise-induced tinnitus: Insights from cellular studies. Neuron. 2019;103(1):8-20.
  5. Shore SE, et al. Dorsal cochlear nucleus responses to somatosensory stimulation are enhanced after noise-induced hearing loss. Eur J Neurosci. 2008;27:155-168.
  6. Huang K, et al. Acupuncture for tinnitus: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Complement Ther Med. 2021.
  7. Zhang Y, et al. Acupuncture decreases amygdala functional connectivity in subjective tinnitus. Front Neurol. 2022;13:986805.
  8. Zhang Y, et al. Effects of electroacupuncture on brain functional connectivity in patients with subjective tinnitus: A randomized controlled clinical trial. Complement Ther Med. 2026;100:103391.
  9. 安藤文紀. 耳鳴に対する鍼治療の効果:症例集積による検討. 全日本鍼灸学会雑誌. 2015;65(2):99-106.

鍼灸は医療機関の治療に代わるものではありません。このページに挙げた研究結果は「そのような報告がある」ことを示すもので、効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。